『アキナ』M-1決勝は2016年以来「こんなにも楽しくネタをして手応えもある」

無名だったミルクボーイが、昨年、M-1史上最高得点(※現在の審査方法において)で優勝を果たし、今ではゴールデンタイムのバラエティー番組のメインを務めるほどの人気芸人に大躍進。

一昨年の王者・霜降り明星は、いま芸能界を席巻している「お笑い第七世代」くくりを生み出すきっかけにもなった。

初代王者・中川家から始まり、アンタッチャブル、サンドウィッチマンなど数多くの人気芸人を世に出してきた、漫才日本一を決める『M-1グランプリ』。

SmartFLASHでは、今年もM-1グランプリ2020決勝に駒を進めたファイナリスト9組を総直撃。12月20日(日)の決勝までの毎日、1組ずつ紹介していく。

2組目は、2016年以来、2度目の決勝進出となる「アキナ」。コント日本一を決める『キングオブコント』でも2014~2015年、2017年と計3回決勝に進出するなど、賞レースファイナリスト常連だが、惜しくも頂点には手が届かぬまま4年ぶりの返り咲き。

秋山は昨年、ABC(朝日放送)の塚本麻里衣アナウンサーと結婚し、先日、夫人が自身の番組でおめでたを発表。「優勝賞金を奥さんと子供のために全額使いたい」と意気込み、初の頂点を目指す。

――決勝進出おめでとうございます。今のお気持ちを聞かせてください。

秋山 こんなに楽しくネタをして、しかも手ごたえもあって「大丈夫や!」と思えた準決勝は初めてでした。これまでは結果を待っている間は不安でいっぱいでしたが、今回はそんなことはなくて。決勝進出が発表されたときはホッとしたほどでした。

山名 僕はネタをやっている途中で、すでにイッてました(力を込めて)。

――イッてた?

山名 あ、これは決勝にイッたなという感覚で。いつもの舞台とはまったく違う「きたきた! よっしゃよっしゃ!」という、めったに味わえない感覚。今年はとにかくネタをやりながらめっちゃ嬉しかったんです。もうネタをやっている途中から「決勝行った!」という感覚がありました。

――新型コロナウィルスの影響もあったと思われる今年、準決勝までを振り返っていかがでしたか。

山名 新型コロナ感染防止の自粛期間は1カ月くらい家にいたんですが、あの時間のおかげもありますね。自分のホンマに好きなものと好きじゃないものを整理した時間で、「やっぱり漫才が好きやし!」と思えて。自粛が明けて、劇場で漫才ができたときはめっちゃ楽しかったんですよ。

――自粛期間はどのようにお過ごしでしたか。

秋山 2人で会って話すことはなかったですね。お互いの時間を過ごしていました。

山名 ただ、劇場で漫才ができない……当たり前のものが全部なくなったんですよね。

秋山 そのときに「漫才したいなあ」という気持ちがすごく強まったんです。もちろん、ネタをすることは大好きなんですが、こんなにも相方とステージで漫才したいと思ったのは初めてでした。だから、今回の予選はずっと楽しかったんです。これまでのM-1はただただ緊張したまま終わった感覚ですが、今回は初めて充実した予選だったなと思えました。

――そんな今年1年を漢字4文字で表すと、どんな言葉になりますか?

山名 漢字4文字!? ……「悠々自適」で。この1年は悠々自適に漫才ができた最高の1年でした。伸びやかな1年でした。

秋山 そうですね。今年のM-1が始まるちょっと前に、山名から「いま漫才やっていて楽しい」と、コンビを組んでから初めて聞いたんです。「いままで楽しくなかったんか!」「そうやったんや……楽しくないのに言えんかったんか」とか、いろんな感情になりました。でも、その言葉が聞けてよかったなと思えたし、そこからホンマに楽しそうに漫才をしていて。ホンマに嬉しかったです。

山名 悠々自適に優勝したいと思います。

――「ファイナリストの中で自分たちが一番○○だ!」と言えるものは?

秋山 僕らはどの漫才師よりも楽しく漫才できていると思っています。楽しんでいる部分は誰にも負けてないです。

山名 僕も一緒ですね。いままでは漫才を「楽しい」と思ってなかったと思うくらい、今年になって急に楽しくなったんです。

秋山 楽しんでいる部分が皆さんに伝わるんじゃないかなと思っています。

――ほかのファイナリストで意識しているコンビはいますか?

秋山 僕は「おいでやすこが」の小田さん。イベントを一緒にやったりと、めちゃくちゃお世話になっているんです。『キングオブコント』で決勝に行ったときも、ほかの賞レースでアカンかったときも激励してくれた先輩で。(小田さんはピン芸人なので)これまで戦う機会がどう考えてもなかったんですが、いざ同じ決勝のステージに立つことになって「戦わなアカンねや」と。あのパワーに負けたくないと思っています。

山名 「錦鯉」さんもすごく意識しています。僕らは結成8年で、あと最長7年はM-1に出られるんです。僕は40歳なので、もしかしたら47歳で決勝に出ているかもしれない、そうすると今回の錦鯉さんの感じになると思うんです。そう考えたら、どんな漫才しはるんやろうとめっちゃ意識してるし、注目もしています。

――敗者復活で勝ち上がってきたら脅威だと感じるコンビはどこですか?

秋山 「ぺこぱ」ですね。去年の決勝で、あの空気感のなかであの活躍。この1年、テレビ出演などに忙しくて時間がなかったと思うんですが、それでも準決勝まで勝ち上がってきて。誰よりも思いは強いと思うので、敗者復活で上がってきたら脅威ですね。

山名 僕は「コウテイ」です。今年『ABCお笑いグランプリ』を獲って、僕は(M-1も)決勝に行くと思っていたんです。めっちゃパワーのある漫才をするので、敗者復活でバーンときたら、会場の空気感を粉々にするんちゃうかなと思ってます。

――優勝賞金1000万円の使い道は考えていますか?

秋山 「マジメか!」と言われそうですが、奥さん(塚本麻里衣ABCアナウンサー)が子供を授かったので、奥さんと子供のために使いたいですね。

山名 全額?

秋山 うん、全額。

山名 僕は、今年犬を飼い始めたんです。柴犬でいま9歳。でもまだ全然なついてくれないので、100万円の強烈なササミをプレゼントして、なついてもらいたいですね。

――最後に、決勝へ向けた意気込みを一言で!

秋山 決勝当日は誰よりも楽しく2人で漫才をして、(最終決戦まで進んで)2本ネタをして、最後は最高の笑顔で終わりたいです。

山名 僕も今年は楽しけりゃいいとホンマに思ってたんですけど……。ただいざ決勝にきたら、ちょっとホンマに優勝しないとなと思っていて。楽しいを捨てて戦うか、楽しいまま優勝するか……。今はブレかけていますが、決勝までにビシっと立て直していきたいです。

M-1グランプリ2020

ABCテレビ・テレビ朝日系 2020年12月20日(日)18:34~22:10
<出演者>
MC:今田耕司 / 上戸彩
オズワルド /ニューヨーク/ おいでやすこが / マヂカルラブリー / 東京ホテイソン / アキナ / 錦鯉 / ウエストランド / 見取り図
審査員:オール巨人 / 上沼恵美子 / 立川志らく / サンドウィッチマン富澤 / 中川家・礼二 / ナイツ塙 / 松本人志

M-1グランプリ2020 敗者復活戦

ABCテレビ・テレビ朝日系 2020年12月20日(日)14:55~17:25
<出演者>
MC:陣内智則 / 飯豊まりえ
キュウ / ダイタク / カベポスター / ロングコートダディ / コウテイ / ニッポンの社長 / タイムキーパー / ゆにばーす / 滝音 / 学天即 / からし蓮根 / ランジャタイ / インディアンス / 祇園 / 金属バット / ぺこぱ

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