――退所後も舞台やテレビについては吉本と一緒にやりたい、と?
「そうそう。内心は『そうはいけへんちゃうか』と思ったけど、『また話しよう』って送った。聞いた話だと、西野君は(吉本について)言いたい放題やったから。マネージャー個人のこともあるし、吉本という会社に対しても、役立たずみたいな考え方やから」
――映画業務を巡って、西野さんはマネージャーの実名を挙げてSNSで批判していました。
「社員の士気や熱意は急速に萎(しぼ)んでいったと思う。僕が一番心配しているのは社員の心のケア。現場マネージャーが西野君を辞めさせてしまったことに責任を感じているかもわからない。だから近々に、西野君のチーフマネージャーらから僕が直接事情を聴く予定です」
――西野さんについては、社内での評判が悪かったという話も出ています。
「西野君が特別評判悪いというのは聞いていない。芸人やからね。人格も大事やけど、芸を評価する。5年後、10年後もサロン運営で食っていけるのかという心配は少しあるけど、自分で頑張るやろ。今はイケイケの時期やからね」
――ホームページでは、西野さんの退所報告は2行。事務所としてエールを送った『オリラジ』とは温度差を感じます。
「むしろ逆ちゃう? 西野君の場合は、会社と本人、それぞれ言い分はあるにせよ、結果としては双方納得したうえでの退所。中田君に関してはかなり前から(退所を)計画していた感じがした」
――計画?
「ギャラの取り分のところで半年以上は話し合っていた。とくにYouTubeについて。僕はそんな時間をかけても無駄だから、ウチの条件を出してそれでもダメなら仕方ないと言っていた」
――退所やエージェント契約が増えていますが、どう思われますか。
「辞めたいんだったら辞めたらええやん。どうしても残ってくれと頭下げて頼んだ覚えもないし、辞めたら仕事奪ってしまうぞと言うた覚えもない。社員も精いっぱいやっていて、それでも不満だったらそれはもう会社はそれ以上できん」
寒空の中、大﨑会長は時に冗談を交えながら朗らかに取材に応じてくれていた。しかし、記者が『雨上がり決死隊』宮迫博之(50)の話題を振ると、明らかに様子が変わったのだった。
――一方で、吉本に戻りたい芸人もいるようですね。たとえば、宮迫さんはYouTubeで自分を〈吉本に戻りたい芸人〉と紹介していました。
「いや、もう戻らんでええと思うで。いちいちYouTubeでネタにすんなって話や。辞めてまで吉本のことネタにすんなよって。今、十分稼げてるんやから、ややこしいことしなくてええやろ」
――「テレビに戻りたい」ともたびたび発信していますが。
「テレビ局と直接やったらええやん。吉本がテレビ局に圧力かけたり、逆にテレビ側が気をつかって降ろすとか噂されてるけど、そんなんあるわけない」
――失礼しました。最後に、今後の吉本の在り方について聞かせてください。
「コロナが終わった将来はどうなるかわからない。テレビもYouTubeも地方も大事にして、いかに吉本にいてよかったと思ってもらえるか。そこが僕らの勝負だと思う」
コロナ禍に起きた相次ぐ人気芸人の退所騒動。時代の波のなかで、吉本もまた変革を迫られている。
さんまの次は紳助か! 一昨年に巻き起こった闇営業騒動で、吉本興業を退社した「雨上がり決死隊」宮迫博之に対し、吉本興業の大崎洋会長が週刊誌の取材に「もう戻らんでええ」と突き放したことが話題になった。宮迫は先日、自身のユーチューブチャンネルに、引退した島田紳助さんを電話出演させたが、こうした大御所の威光を使って吉本復帰を画策するやり方に、吉本上層部は不快感があるという――。
吉本興業の大崎洋会長は、12日発売の写真週刊誌「フライデー」の取材に応じ、宮迫について聞かれた際、一刀両断に切って捨てた。
宮迫は1月末にアップした、自身のユーチューブチャンネルでの動画で自身を「吉本に戻りたい人」と紹介していた。これについて大崎氏は「いや、もう戻らんでええと思うで。いちいちユーチューブでネタにすんなって話や。辞めてまで吉本のことネタにすんなよって」と、明らかにイラだったコメントを残している。
「フライデーの取材でキングコングの西野亮廣について聞かれた時、大崎さんは厳しいコメントもあったが、かなり冷静に話していた。でも宮迫に対しては吐き捨てるような感じ。もう関わりたくないというのがアリアリでしたね」(テレビ局関係者)
大崎会長が不快感を示したのは理由があるとみられる。宮迫は今月10日にアップした動画に、引退した島田紳助さんを登場させた。収録中、宮迫が電話し、出演を依頼すると、紳助さんは「別にええけど」と快諾。この場で紳助さんは「吉本戻ったほうがええよ」「変な感じで辞めてるから、よくないわ」と話した。
同テレビ局関係者は「この収録がいつ行われたか分からないけど、フライデーの直撃よりは前でしょう。そうなると紳助さんは、宮迫から電話があったことを大崎さんに報告しているはず。引退しても、紳助さんと大崎さんは固い絆で結ばれていますからね。それを聞いたうえでフライデーの直撃を受けたから、宮迫について聞かれた大崎さんは不快感をあらわにしたのでは」と指摘。
大崎会長が激怒した理由は「吉本に復帰するのに、紳助さんの威光を利用するな、と言いたいのでしょう」(同)。
吉本で現在、最も影響力を持っているのは「ダウンタウン」松本人志だ。特に大崎会長、岡本昭彦社長、藤原寛副社長と、吉本の上層部はいずれもダウンタウンのマネジャーを務めていたことで知られる。
だが宮迫は松本を頼ることができなかった。闇営業問題で宮迫が謹慎中、松本と電話で話した際に、「ノーギャラだった」と主張する宮迫に対し、松本は「それはムリ。世間は信じない」と言ったものの聞き入れなかったという。
結局、ギャラを受け取っていたことが分かり、宮迫は2019年7月に退社に至ったのは周知の通り。アドバイスを聞き入れない宮迫の姿勢に松本は、この問題については吉本と宮迫の間に入らないことを決めたと、テレビで話していた。
吉本を退所した後、宮迫が頼ったのは大御所である明石家さんまだった。さんまは19年11月に、宮迫を激励するパーティーを主催したが、テレビ復帰はかなわなかった。さんまの個人事務所で預かるとも言われたが、結局は実現していない。
さんまを頼っても、吉本復帰はかなわなかった宮迫。現在はユーチューバーとして活動しており、収入は十分にあると言われているが、自身で「吉本に復帰したい人」と紹介しているように未練があるのは間違いない。
そこで紳助さんを頼ったのだろうが、吉本上層部は大御所を頼って復帰を画策する宮迫の姿勢にあきれているようだ。
「そもそも反社会的勢力の闇営業に出て、最初は『ノーギャラだった』とウソをついたのが原因。その問題が解決してないのに、大御所に頼って復帰したいのは虫が良すぎる。フライデーの取材で、大崎さんが宮迫について不快感を示したのはそういうことだろう」(芸能プロ関係者)
もはや復帰は絶望的な状況だ。