『草彅剛』のアカデミー賞最優秀賞受賞で『木村拓哉』が息巻く「次は俺だ」

第44回日本アカデミー賞が発表され、映画『ミッドナイトスワン』でトランスジェンダーの主人公を熱演した草彅剛が最優秀主演男優賞を獲得した。優秀主演男優賞には『嵐』の二宮和也もノミネートされていて、新旧ジャニーズの対決に注目が集まったのは言うまでもない。

日本アカデミー賞とジャニーズといえば、07年に『武士の一分』で木村拓哉が優秀主演男優賞にノミネートされたことがある。ところが木村は発表前に賞を辞退したのだった。その理由に関しては巷間に諸説が飛び交うことになったのだが、

≪最優秀賞を競う場には出させたくない≫

というのが、ジャニーズ事務所の意向だったといわれる。これは映画だけでなく、音楽の賞レースにも参加しない方針を取っている。

「人気タレントを多く抱えているために、所属タレント同士で競いあう場面が多々あります。身内で格付けが生じてしまうことを避けようとしたんでしょうね。以前は裏番組で所属タレントの出演がかぶることも避けていました。視聴率で優劣が付くことになりますから」(スポーツ紙記者)

しかしその後、‘15年に『V6』の岡田准一が『永遠の0』で、‘16年には二宮が『母と暮らせば』で最優秀主演男優賞を獲得している。いつの間にか事務所の方針が変わったのだろうか。映画誌記者はこう語る。

「木村さんが賞を辞退した第30回の下馬評では、『明日の記憶』の渡辺謙さんが最優秀賞確実と見られていました。実際、その通りになりましたね。最優秀賞受賞は難しいと知った木村さんサイドが、“優秀賞だけで終わったらカッコ悪い” “木村さんのプライドが傷付くと思って辞退したのではないか”という話がマスコミの間で流れていました」

キムタクの辞退から14年。アカデミー賞でジャニーズタレントの顔を見る機会が多くなった。二宮はʼ19年に『検察側の罪人』で優秀助演男優賞を受賞し、今年は『浅田家』で優秀主演男優賞を獲得。岡田はʼ17年に『海賊と呼ばれた男』で、ʼ18年には『関ケ原』、ʼ19年に『散り椿』で優秀主演男優賞に輝き、いまや常連となっている。さらに若手も。ʼ16年には『Hey! Say! JUMP』の山田涼介が『暗殺教室』で新人俳優賞を。今年は『King & Prince』の永瀬廉が『弱虫ペダル』で同賞を取った。

草彅と同様にジャニーズOBで、いまや押しも押されもせぬ実力派俳優である本木雅弘も、アカデミー賞に欠かせない存在だ。ʼ90年に『226』、『ラッフルズホテル』、『べっぴんの町』で新人俳優賞を受賞すると、その後はʼ93年『シコふんじゃった。』、ʼ09年『おくりびと』で最優秀主演男優賞。ʼ95年『ラストソング』、ʼ00年『双生児』で優秀主演男優賞。ʼ16年には『日本のいちばん長い日』で最優秀助演男優賞、『天空の蜂』で優秀助演男優賞を獲得するなど、アカデミー賞に限らず映画の賞レースには欠かせない存在となった。

さて草彅だが、最優秀賞を受賞したことは、ただ単に映画賞を受賞したということだけでなく、大きな意味を持つというのはキー局プロデューサー。

「表面上は何も起きてないように見えますが、二宮さんが2度目の受賞を狙っていたでしょうし、それなりの準備もしていたと思いますよ。ジャニーズ事務所としては、悔しい思いをしていると聞きました。最優秀賞を受賞したのが草彅さんだったから余計に……、ということでしょうね。逆に言うと、草彅さんを含め『新しい地図』の3人はジャニーズ事務所の影響力から完全に離れたと言えるでしょうね」

これまでは活動に多少なりとも制限があったように見えた独立組だが、最優秀賞受賞は『SMAP』の呪縛から解き放された証拠なのかもしれない。そしてそれは、木村拓哉の役者魂に火をつけたようなのだ。

「今は袂を分かちましたが、仲間であってライバルでした。特に草彅さんは役者としての評価も高かったですから。一度は辞退したとはいえ、自分がこれまで獲れなかった賞を元仲間が獲ったことは、いい刺激になったでしょう。特に最近の木村さんの演技は“何を演じてもキムタク”から脱却して、アンチキムタクからも高評価を得ています。期待大ですね」(映画誌記者)

お互い切磋琢磨して、演技が磨かれていくならこれにこしたことはない。そしてまだ先になるだろうが、2人が同じスクリーンで素晴らしい演技を見せてくれる――。そんな日をファンは待ち望んでいる。

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