「今一番売れてる芸人は浜田雅功なのか?ここにきての?」

『水曜日のダウンタウン』などを手がける藤井健太郎さんは「今一番売れてる芸人は浜田雅功なのか?」とつぶやいた

ダウンタウンとして東京進出してからもう30年以上が経つが、還暦を数年後に控えたここにきて、57歳・浜田雅功の活躍ぶりはめざましい。テレビはなぜ浜田を求めているのだろうか。お笑い芸人やテレビ業界に詳しいお笑い評論家・ラリー遠田氏に話を伺った。

大御所にも臆しないツッコミスタイル
――昔と比べて、今の浜田さんの仕事量をどう見ますか。

ラリー GP帯でのMCレギュラー数は、昔と比べて間違いなく増えています。その理由としては、他のMCには真似できないキャラクターと、スタッフからの高評価が大きなポイントになっていると思います。

――真似できないキャラクターというと?

ラリー 自分より年上で、大御所のタレントに対しても臆することなく強気にガンガンツッコむスタイル。あのコワモテなキャラクターは、他の誰にも真似できません。

――相手が誰だろうと全く委縮しないですもんね。

締めるときは締める、無駄のない進行
ラリー また、MCとしての安定した実力と実績を持っていることも、前提として当然あります。MC能力はかなり高く、番組スタッフの間でよく言われているのは、「浜田さんMCの収録は短い」ということ。例えば、さんまさんは収録現場が盛り上がっているといつまでも話してしまって収録が長くなることがあるようですが、浜田さんの場合、例えば1時間番組だったら1時間で収録が終わる。なるべく無駄のない進行をするタイプなんです。

――それはテレビには映らない部分ですよね。具体的にはどういった仕切りをされるんでしょうか。

ラリー バラエティ番組は、バラエティに慣れていて空気が読めるようなお笑い芸人だけではなく、空気を読み慣れていないアイドルや俳優、大御所タレントなどもたくさん出演するものです。

そういう人たちが的外れなことを言ったり、本筋に関係ないところで盛り上がったり、進行に関係ないやりとりをしていると、どんどん収録が長くなってその場の空気が悪くなることもあるんですよ。

ですが浜田さんは締めるときはしっかり締めるので、やや強引にでも番組を進行させていくということを心がけているようです。MCとして進行に徹する部分も、番組スタッフの方には高く評価されているんでしょう。

若年層から40~50代まで、幅広い世代から支持
――他に、番組スタッフから起用される重要なポイントはあるんでしょうか。

ラリー あとは、ダウンタウンはテレビに出始めて30年以上経つ大御所でありながら、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ系)や『水曜日のダウンタウン』などのバラエティ番組は、今の若年層の視聴者にもとても人気があります。

一方で、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系・1997年に終了)や、初期の頃から『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』を観ていたような、若手の頃からダウンタウンを知っている40~50代の世代の視聴者もいますよね。

つまり、上の世代から下の世代まで幅広い層に認知・支持されているという点で、他に代わりがいない。その点も番組スタッフに評価されているポイントなのではないでしょうか。

ファミリー層にも安心の安定感
――お話を聞けば聞くほど、唯一無二の風格というものを感じます。

ラリー さらに今は、例えば『プレバト!!』(TBS系)のような、ファミリー層で観るような番組でも安心して起用できるキャラクターになってきました。

かつて、30代前半にMCとして活躍しだした頃は、大阪から出てきて「舐められたくない」というような意識もあったでしょうし、尖っていた部分はあったと思います。けれど今はもう落ち着いてきて余裕もあり、安定感がありますよね。

ただ、いまだに、カンペのめくり方が遅いスタッフなどには生放送でも本気でキレることもあります。段取りよく進めることへのこだわりが強いあまりに、そういう一面がたまに出てくるのかもしれません

ダウンタウンとして出演すると、MCであり芸人モード
――浜田さんはピンでMCをされているときと、コンビでMCをされているときがありますよね。そこに何か違いはありますか?

ラリー まず、浜田さんが1人でMCをされるときは、浜田さんが他のタレントにツッコんで笑いを取る流れがメインですよね。言ってみれば、最後は浜田さんが自分でシュートを打って終わる。

例えば『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)だったら、スポーツ選手がオチのない話をしたとしても、ちょっとふざけた感じでツッコんで笑いにすることでそこにオチをつけてあげる。そういう一連の流れを含めて、MC・浜田雅功としての役割はパッケージングされていると言えます。

ダウンタウンとして出演すると、MCであり芸人モード
――浜田さんはピンでMCをされているときと、コンビでMCをされているときがありますよね。そこに何か違いはありますか?

ラリー まず、浜田さんが1人でMCをされるときは、浜田さんが他のタレントにツッコんで笑いを取る流れがメインですよね。言ってみれば、最後は浜田さんが自分でシュートを打って終わる。

例えば『ジャンクSPORTS』(フジテレビ系)だったら、スポーツ選手がオチのない話をしたとしても、ちょっとふざけた感じでツッコんで笑いにすることでそこにオチをつけてあげる。そういう一連の流れを含めて、MC・浜田雅功としての役割はパッケージングされていると言えます。

――ピンかコンビかでMCとしての色が違うというのは、多くの番組に起用される要因の気がしますね。

ラリー そうですね。お笑い番組以外にも、例えばクイズバラエティなど幅広い番組に対応できる点が強みと言えます。芸人はもちろん、芸人じゃないタレントも同じように面白おかしく活かせる。

他のお笑い芸人MCとの違いは?
――では、他のお笑い芸人MCと比べると、どういった違いがあるでしょう。

ラリー 浜田さんと同程度テレビに露出しているお笑い芸人のMCだと、くりぃむしちゅー・上田(晋也)さんや有吉(弘行)さんなどがいますが、同じポジションにいると言えるMCはやはりいないでしょうね。

上田さんは浜田さんと近いツッコミタイプですが、上田さんは早稲田大学中退で少しインテリキャラな部分もあるし、あとは例えツッコミなどで、出演者ではなく自分の笑いとして落とすのも結構好きな方です。ツッコミメインなスタイルの浜田さんに対して、ツッコミだけでなくある種のボケもできるといったタイプの違いがありますね。

毒舌で頭角を現した有吉さんも浜田さんとタイプが少し似ていますが、浜田さんに比べると年齢が若いので、バラエティ番組だと同世代の芸人とはイジったり、イジられたりのフレンドリーな関係。浜田さんは上下関係がある関係性を活かしたスタイルが特徴ですから、その点は異なります。

――確かにそういった違いがありますね。

あと5~10年は続く?浜田雅功の全盛期
ラリー ダウンタウンを観て育った世代が40~50代になって、テレビを観ているメイン視聴者層になっているという背景が、今なおダウンタウンの盤石な人気を支えていると言えるでしょう。

それでいて、今も最前線でお笑い界を牽引し、若手芸人にとっても多大な影響力を持ち続けています。ですから、ご本人がお元気な限りは、この“全盛期”はあと5~10年は続くのではないでしょうか。

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