ピッチ上で激減した岩渕のある仕草とは?
3大会連続のファイナル進出へ期待を寄せられながらラウンド16で早々に大会を去ることになったなでしこジャパン。後半に訪れた決定機の数や、決定打となってしまったハンド判定など、「たられば」要素が満載のなんとも悔しさが拭いきれない敗退ではあった。が、結果は結果。「それがすべて」と、悔し涙は止められずとも自らの実力不足に一切の言い訳をしなかったのが岩渕真奈(INAC神戸)だった。
高倉麻子監督には就任した当初から、岩渕をチームのエースに成長させるという明確な意図があった。これまでは偉大な先輩選手の背中を追いかけるだけでよかった岩渕も、先頭に立つ立場になった。ピッチのオン・オフ問わず、甘えは許されない。指揮官はスタミナに問題のあった岩渕を、ユース年代を卒業したばかりの選手たちの前でフル出場させることでその責任を自覚させた。そして試合を誰が決すのかを時には言葉で、時には起用で、エースとしての責務を求め続けることをやめなかった。
最近ではピッチ上で激減した岩渕のある仕草がある。前線へのダッシュのあと、シュート後のポジションへ戻ったあとなど、かつての岩渕の疲労度は分かりやすかった。肩で息をし、顔をゆがめながら腰に手を当てて回復を待つ。途中交代であっても、だ。「あれ?もう疲れたのか?」と二度見する程度には頻繁に見られたシーンだ。それが今はほとんど目にすることがない。当然フィジカルの向上はあるだろうが、それ以上に内外に弱みと取れる行動は見せなくなった。
さらにオランダ戦での岩渕は「自分でゴールを奪う」という気迫をピッチ上でいかんなく体現した。チャンスがあれば、縦横構わずDFを手玉に取りながらターン、ドリブル、フェイント――持てる技術をすべて駆使してボールを運んだ。自身でフィニッシュまで行く道筋と、味方の上がりとを天秤にかけながら冷静さも失わなかった。長谷川唯(日テレ・ベレーザ)が決めた同点弾のアシストがまさにそれだ。
どれだけDFに囲まれようと、倒れずにボールをキープした岩渕
倒れないプレーもたびたび目に入った。前がかりな攻撃態勢に入った時に不用意に奪われるボールは、確実にカウンターにつながる。日本の失点はこのパターンが実に多い。カウンター回避の大前提は味方の攻撃スイッチが入った時は、何があってもボールを失ってはいけないということ。どれだけDFに囲まれようと、かわしながらも倒れずにボールをキープする岩渕。危うくなれば、どんなに無理な態勢でも全力で足を振り抜いた。オランダ戦の鬼気迫る岩渕のプレーからは、溢れんばかりの勝利への執念が感じられた。
そしてついには頼みの右足が攣った。限界は近づいていた。その後、訪れたのはPK判定。その結果を見届け、岩渕はノーゴールのままピッチを後にした。「いろいろ背負ってやってきた中で、少しは自分を表現できたとは思う。それでもまだまだ力不足。またチームとして一からやり直してオリンピックに向かいたい――」受け止め難い現実。それでも懸命に前を向いた岩渕。大いなる期待を込めて今大会では“覚醒ならず”としよう。次なる大舞台、東京オリンピックでは覚醒したエースとしての姿を見せてくれるはずだ
好きな女子アスリート、最初の頃はかわいい子がサッカーやってるなぐらいだったのですが、可愛さと共に、プレーも好きになっていき大好きになりました。
見た目、実力共に、もっとフューチャーされていい選手だと思い記事にします。
岩渕真奈profile
素晴らしですね。チームとして国民栄誉賞も取ってますし。申し分ないですが、膝の怪我さえなければと、たらればを想像してしまいますが、怪我をしたから今があるかもしれませんしね。