2020全米女子オープン『渋野日向子』ハイライト動画・インタビュー記事

初日

-第1ラウンドを振り返って

渋野 久しぶりに最後までのびのびできたなと思います。攻めているつもりはなかったですけど、転がっていって、あ、ピン横だとか、思ったよりいいラインだなというのが多かった。自分の思った通りにいくショットもいくつかあったので、それは収穫かなと思います。自分が思っているスコアよりも、いいスコアを出せたので、最後まで危なげないゴルフだったと思います。

-点数を付けるなら

渋野 100点でいいです。100点以上ですね(笑い)。

-ミスの少ないラウンドだった

渋野 ボギーは仕方ないなと思っていて、バンカーショットも良かったですし、パーパットも思っていたところに打てていたので。その(ボギーの)後はすぐに切り替えられました。外から入ったり、微妙なパットも入ってくれたし、ロングパットも寄せられたり、距離感も良かった。許容範囲内というか、大きなミスはなかったなと思います。

-思いきり振れたか

渋野 かなり振れるようになりました。狭いコースでもありますし、ロングアイアンやユーティリティーを持つ機会が多い中で、最後までやれたのはよかったです。よう自分が、こんなスコアを出せたなと思います。

-2つのコースを使うことについては

渋野 初めてのことなので、練習ラウンドも多めにやって、いつもよりも早めに入ってやった分、知ることも多かったかなと思うので、それをしっかりと試合で生かせるようにしたい。

-第2ラウンドからの戦略は

渋野 明日(第2ラウンド)は天候が悪いので、耐えに耐えまくるしかない。耐えるしかない、粘るゴルフをするしかないと思っているので、しっかりと守るところは守って、できたらいいなと思います。明日は悪天候でどうなるかわからないですけど、とりあえず3つ稼げたということで、明日は耐えられるように頑張りたいです。

-今年、初めて米国でプレーしたが、そのためにどんな準備をしてきたか

渋野 技術的な面は米国本土に来てみないと分からないと思っていた。2カ月間、米国ツアーで戦って、そこからちょっとずつ試合でやっていっていたという感じ。でも気持ち的には、日本ツアーよりも、米国ツアーの方が、チャレンジャーの気持ちで臨まないといけないと思っていたので、そこはすごく気を付けています。

-後半は良いパットが

渋野 ええ、良かったです。距離感が前半も合っていたし、ラインに乗ればという状況で、自分も思ったところに打てていた。

-危なげないラウンド

渋野 そうですね。ロングパットを1メートルくらいにも寄せられた。下りも手前10センチに止めるという気持ちで打っていた。ほんとに大オーバーもなくて良かった。

-出だしは?

渋野 緊張は全然なかった。なかったんですけど思ったより右に行っちゃった。

-大舞台の出だしで?

渋野 やばいとは思わなかった。もうちょっと練習しないとなくらい。位置的にもアゴが気になる位置でもなかった。6番アイアンです。やさしくはないけど、ああ大丈夫だなと思って打った。真ん中に入ってたし、ライも悪くなかった。

-100点以上のゴルフができたのは?

渋野 いつ以来? 今年やった記憶ない。この難しいコースでこれだけのスコアが出せるとは思っていなかった。1個ボギーがあるけど、ボギー1つに抑えられたこともすごくびっくり。

-ボギーもバンカーショートサイドで、難しい

渋野 そう。でもパーが取れるところに残せている。あれも自分が思ったところに出せているので仕方ない。出来すぎ君、なんです。

-自分の中でも今年1番の出来?

渋野 そうですね。試合をするたびに今年1番というのが出てきている。それも試合をするたびに超えて行かれているのですごくいいなと思う。

-レンジではドライバーが少しぶれていた

渋野 練習は、ドライバーはほんとにポンコツ。練習場下手くそ、練習場シングルじゃなくて(笑い)。試合に入れば狙いどころも決まって。だからこそ打てている。練習場は適当になる。

-今日は技術? メンタル? どこが良かった?

渋野 ティーショットに関しても特に怖いものもなかったし、アイアンショットも距離感に関して。ピンが手前だったらギリギリエッジに落ちるくらいの距離の番手で打って、あとは風に任せてという番手から、すごくエッジに落ちてバーディーとれた。

-1番のバーディーは大きかった

渋野 そうですね。6メートルくらいありましたね。で、ほぼまっすぐなライン。下りについてもいいから、そんなに曲がるラインにつかないようにと思っていたら、本当にそんなに大きく曲がるラインにつかなかった。行ってみたら、意外と良いじゃん、みたいなのが多かった。そこが良かった。

-1番のセカンドは?

渋野 149ヤード、エッジが138。フォローだったので8番アイアンで打った。

-今日はイジョン6、ディフェンディングと回って、彼女はプレッシャー?

渋野 もちろんそうです。自分も申し訳ないんですけど全英がディフェンディングだったので、あのときは私もプレッシャーがありました。やりにくさはあるのかなーと同情心も抱くこともないくらい、自分に忙しかった(笑い)。でも私と比べものにしたらダメです。

-2ホール目からショットが良くなった要因は?

渋野 うーん、若干右に向いているのかなと思っていたので、当たりも悪くなかったので、思い切って左に向こうかなと、そこを修正したくらい。若干オープン気味に向いたくらい。最後の9番は風に流されてラフに入ったけど、ほぼ完璧でした。

-途中、風も結構吹いていた

渋野 はい。ありましたね、でもその割には頑張っていた。

-良いスタート

渋野 良いスタートすぎるので、とりあえずなかったことにしようと(笑い)。明日はぜんぶ、なくなる勢い? 風とか雷雨もあるし、3つだけ貯金ができたと思ってやるしかない。

-ほとんどグリーンを外していないから、楽しみにしていたアプローチの出番なし

渋野 そうなんですよね。バンカーだけなんですよね。思ったよりもエッジで止まってくれていたし。明日はグリーンが小さいから、あしたはショットがどっか行くでしょうね(笑い)。それでも楽しみながらできるといいかなと思います。

二日目

渋野 今のうちに写真を撮っておきたい気分。天候が予報よりは風が吹かなかったり、雨も耐えてくれていたので、回りきったことがすごく良かったですし、4つも伸ばせたというのは正直、すごくビックリです。

-独走状態になっている

渋野 上がって、アテスト会場で自分の順位を見た時に、夢かと思いました。

-第1ラウンドは「のびのびできた」と言っていたが、第2ラウンドは

渋野 天候がどうなるか分からず、朝から耐えるゴルフをしようと思っていた。それを最後までできたとは思う。昨日(第1ラウンド)のゴルフは、なかったことにして、また新しい1日目、初日と考えてやったことで、また今日ものびのびできていたかなと思います。

-初の初の全米女子オープンで好スコア。これで自信になったか

渋野 いや、自信になるも何も、本当に自分じゃないみたいで。正直、この結果に対してはすごくビックリしています。

-今季は1日好スコアを出しても続かないことも多かったが

渋野 ありましたね。ちょっと成長しているなというのを実感できます。自分の中で、気持ちのコントロールができているのかなというのも実感できるので、それはすごく、これからに生きるなと思います。

-午後から大雨との天気予報もあって、序盤から積極的にプレーしたか

渋野 今日は耐えるのを前提に、最初からやっていた。パー5(のホール)で、しっかりと(バーディーを)取れればいいなと思っていた中で、スタートホール(1番パー5)で、しっかりと取れたので、そこはすごくよかったかなと思います。

-1番で幸先よくバーディーを取って

渋野 「ありゃ」と思いながら回っていました(笑い)。

-6つバーディーを取ったが

渋野 ショットがすごくいいのもあるんですけど、パッティングがここまでいいのは久しぶり。自分の思ったところに打てる回数が、かなり増えてきていて、自分でも怖いぐらい。今日、6個も取れたことが奇跡。その分、ショットがすごくいいんだなというのも分かる。本当に、よくここまで頑張っているなと思います。

-9、10番と2ホール連続でパー5。8番で最初のボギーをたたいた後だけに、特にバーディーがほしかったのでは

渋野 ほしかったところで、9番は取れず、10番で取れなかったら流れが悪くなるなと思っていたので、そこでしっかりと取れて、すごくよかったです。16番で、ほぼ3パットでボギーとしてしまい、けっこう悔しかったんですけど、17番で、まあ、取り返すぞという感じでもなかったんですけど、すごくいいところに行ってくれた。あれはラッキーだなと思いました。結果的に、すごくいいショットという感じでした。狙ったところではないんですけど(笑い)。

-16番でボギーの後、17番でバーディーのバウンスバック。AIG全英女子オープンを思わせる内容だが

渋野 全英のように、うまくいくとは思っていないですけど、あのころとはまた違う感情もありますし、ちょっとずつ大人になってきていると思います。ゴルフの内容も自分で考えて、内容の濃いゴルフができるようになってきている。去年の全英よりも、自分的にも、すごくいいゴルフをしているなと言えますね。

-第1ラウンド後、内容について「100点」や「100点以上」と話していたが第2ラウンドは

渋野 今日はまず、このスコアで回れる気候ではないなと思っていた中で伸ばせたので…。120点!! です(笑い)。

-復調の要因は

渋野 うーん…。今までの自分を捨てたことかな。本当に、プロになりたて、とか、ゴルフ始めたて、ぐらいの気持ちの方が、すごくゴルフに対して成長できる、気持ち的にも成長できるなと思った。そうやって気持ちが初心に帰ったことかな、と思います。

-当初の目標は予選通過と言っていた。上方修正しなければいけないのでは

渋野 いやぁ、そうですけど、とりあえず、この位置にいる間に写真に撮って、ちょっと余韻に浸って(笑い)。あと2日間は、伸ばせる時には伸ばしたいですけど、本当に耐える、粘るゴルフが本当に必要だと思うので、そこは徹底的に頑張りたいなと思います。

-第3ラウンドは

渋野 明日は、私の天気予報によると風が強い予報だったので、明日こそ、もっと耐えるゴルフが必要になると思う。この2日間で伸ばしたスコア、貯めたスコアを、全部なくさないように頑張りたいと思います。

-ファンへのメッセージを

渋野 深夜で仕事もある中で、たくさん応援してくださって、本当にありがとうございます。まだ2日目終わってですが、1番上にいる奇跡を楽しんでいただけるとうれしいです。

三日目

渋野日向子(22=サントリー)が首位を守り、昨年AIG全英女子オープンに続くメジャー2勝目に王手をかけた。

以下は第3ラウンド後、海外メディアの質問に対する一問一答。

-今日のコースはタフだった。どんな印象だったか。

渋野 しょっぱな(1番の3パット・ボギー)からしてやられたっていう感じで、ほんとに今日はすべてのホールが難しくて、自分のショットも悪い分、もっともっと難しく感じてしまったので、こういう結果(3つ落とす74)になったのかって思います。

-それは天候、コースコンディションのせいか、それとも自分の問題か。

渋野 あ~もう自分自身がすっごい緊張していました。

-昨年全英で優勝して以降、海外で何試合出たのか。

渋野 え~っと昨年が全英以降に1試合と、今年は6試合…これを含めて7試合。

-どうしてそんなにナーバスだったのか。

渋野 え~? 1番上にいるからですかね。

-米国でプレーするために何か変えたことはあるか。

渋野 変えたことは…う~ん…特にないですかね。でも、やっぱりアプローチのバリエーションは必要だなって感じてから…日本ではなかなかアメリカほど必要ではないかなってやつが、こっちではすごく必要とされるので、そういうところの練習を…ですかね。

-今回はギャラリーなし。それは感じているか。

渋野 う~ん…やっぱり、昨年の私がいたのはファンの皆さんが目の前で応援してくれてたからこそで、すごく力もわいてきましたし、いい意味で調子に乗れたし。それが今は無観客ってことでなかなか自分で(自分を)乗せにくいっていうか。バーディーとってもシ~ンてしちゃう感じです。

-日本で有名になってテレビ、バラエティーにも出演したと思うが、それがゴルフにどんな影響を与えたと思うか。有名人になって、自分をどう位置づけて、ゴルフに向き合っているか。

渋野 テレビに出ることで今のゴルフに影響してるかっていうと、特に何も影響してないかな。あと、有名人になったことで、自分らしく(言葉が)言いにくくなったんですけど、それを最近は殻破って、自分らしく言えるようになりました。

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