長瀬智也の“俳優の格”を上げた「2人の女性」とジャニーズ退所後もオファーがくるワケ《「俺の家の話」が話題》

長瀬智也(42)主演のドラマ「俺の家の話」(TBS系)が話題だ。戸田恵梨香や桐山健斗、永山絢斗、江口のりこ、西田敏行ら手練れ俳優らの豪華さもあるが、なんといっても体重を13キロ増やしてプロレスラー役に挑んだ、長瀬の熱演に注目が集まっている。

2020年7月22日、長瀬は今年3月いっぱいでジャニーズ事務所を退所することを発表。その後について「他事務所に所属することなく、裏方としてゼロから新しい仕事の形を作り上げていく」と表明している。

「俺の家の話」は長瀬にとって最後のドラマとなる、はずだ。

長瀬の肉体と暑苦しい演技が光る
「今回、長瀬が演じているのは中年プロレスラー観山寿一です。能楽宗家に生まれ神童と呼ばれたが、人間国宝の父親・寿三郎(西田敏行・73)に反発して17歳で家出。『ブリザード寿』のリングネームで人気レスラーとなるが、ケガで落ち目になり、年齢的にも限界。妻には離婚を切り出される、という中年の悲哀が漂う役どころです。

寿一は父の危篤の知らせを受け、プロレスラーを引退して、寿三郎の介護を手伝うことになるのですが、父親の“婚約者”である介護ヘルパーの志田さくら(戸田恵梨香・32)が登場し、父親の財産を巡ってすったもんだするという……。涙あり笑いありのドタバタコメディです。長瀬にこういう役をやらせるとピカイチですよね。暑苦しい演技が光っています。第1話の評判は上々ですよ」(スポーツ紙記者)

今作は「池袋ウエストゲートパーク」(2000年)、「タイガー&ドラゴン」(2005年)、「うぬぼれ刑事」(2010年)を担当したTBSの磯山晶プロデューサー(53)、脚本の宮藤官九郎(50)が制作陣を引っ張っている。世間的には、長瀬の引退を華々しく飾るために、この黄金コンビが用意されたと見る向きもあるが、実はそうではない。

「連続ドラマの主演キャスティングなんて、現在は1年近く前に決まっていますから。長瀬の退所発表よりも前に決まっていた仕事のはずです。なので、事務所退所発表の影響でドラマも降板、なんてことにならなくてよかったというところでしょう」(スポーツ紙芸能デスク)

長瀬は今作のために役作りで13キロ増量したのだという。身長185センチとジャニーズでは異例の高身長だが、さらに増量と筋トレによって筋肉はパンパン。現在は100キロ近くにパンプアップしたのではないかと思われる肉体を誇っている。

しかし長瀬はそんな苦労を見せることはなく、1月18日にオンラインで行われた制作発表では、筋骨隆々の体つきで写っているポスターを見ながら「ヘビメタを聞けば、ああいう体になるんです」と笑った。

ドラマ制作者の中で評価が高い長瀬
「長瀬さんは、2020年8月くらいから役作りのために増量と筋トレに励んでいました。しかもすごいのは、張りぼてのように見た目をデカくしただけじゃないってことです。レスラーとして戦う試合シーンもあったのですが、『これだけ動けるんだったらプロレスラーとしてもやっていけるんじゃないか』というくらい、いい動きをされていました。これが長瀬さんの最後のドラマになるなんて、惜しすぎますよ」(ドラマ関係者)

主演作を次々にヒットさせてきた長瀬。彼の俳優としての評価は、スター揃いのジャニーズ事務所にあっても、群を抜いている。

「固定の熱狂的なファンを持っているジャニーズタレントは、ある程度の視聴率を見込めるのでドラマ出演が決まることが多い。でもジャニーズは身長160センチ台前半の華奢なタイプばかりなのが、制作側からすると悩みどころで……。

最近では新垣結衣や中条あやみ、長澤まさみ、杏など170センチ前後の高身長女優はざらです。彼女らはヒールを履くと180センチ近くになります。ジャニーズではスタイルのいい木村拓哉でも170センチ台半ばですから、相手役女優の背が高いとヒールを履かせられない。

その点、長瀬さんはほとんどの女優より背が高いのでそんな気遣いはいりません。ジャニーズには珍しいワイルド系で、むさ苦しさも表現できる。ドラマ制作者の中では評価が高いですよ」(テレビ誌記者)

ドラマ初出演で浜崎あゆみと運命の出会い
長瀬はいかにして、俳優として独自の地位を築いたのか。長瀬がジャニーズ事務所に入所したのは1991年、中学1年の時。俳優デビューはわずか2年後の「ツインズ教師」(テレビ朝日系・1993年)だった。

「フジテレビとTBSがドラマの高視聴率を競っていた時代で、その他の局のドラマも出演者たちは豪華でトレンディでした。『ツインズ教師』では高嶋政宏と石黒賢が対照的な双子の中学教師を演じ、そのほかにも鈴木京香や、お笑い芸人で『進め! 電波少年』(日本テレビ系)で人気沸騰中だった松村邦洋も出演していました。

長瀬は中学3年の生徒役で出演しましたが、同級生として当時は売れないアイドルだった浜崎くるみ、後の浜崎あゆみが出演しています。浜崎にとってもこれが女優デビュー作でした。この2人が後に芸能界きってのビッグカップルとなるわけですから、すごい縁ですよね」(前出・スポーツ紙記者)

この後、長瀬は1994年5月にバックダンサーなどで活動していたTOKIOに加入。ボーカル&ギターとして、同年9月に「LOVE YOU ONLY」でCDデビューした。しかし、音楽活動は伸び悩んだ。

「長瀬君はTOKIOのメンバーに最後に加わりましたが、背が高くてルックスはナンバーワン。ギター&ボーカルでフロントマンとして申し分ありませんでした。だけど、時代はSMAPやKinKi Kidsのように、面白いアイドルを求めていた。TOKIOも面白いのですがあと一歩及ばず、楽器を持つバンドスタイルも世の流れにはハマらなかった。2003年の『AMBITIOUS JAPAN!』や、2006年の『宙船』がヒットしましたが、結局デビュー曲の『LOVE YOU ONLY』を超える曲はついに生まれませんでした」(音楽番組関係者)

その一方で、長瀬は俳優として注目を集めていく。1995年には「カケオチのススメ」(テレビ朝日系)で連続ドラマ初主演を果たした。

「翌年には名作ドラマ『白線流し』(フジテレビ系)の主演にも抜てきされました。2005年まで足掛け10年にわたってシリーズ化された青春大河ロマンです。岐阜県の高校が舞台なのですが、自然をバックにした撮影に、長瀬さんはピタリとハマっていました。他のジャニーズのタレントは都会的な魅力を持っている方が多いのですが、長瀬さんは素朴でワイルドな地方の青年役も演じられる。素材としての良さが大きな魅力でした」(前出・ドラマ関係者)

1998年には月9ドラマ「Days」(フジテレビ系)で主演。長瀬は当時19歳だったが、これは1992年に18歳で主演した稲垣吾郎に次ぐ、史上2番目の若さでの抜てきだった。恋愛ものが多い同枠のイメージと違った、地方出身の板金工の青年を好演した。

「TOKIOは歌の大ヒットにこそ恵まれませんでしたが、1995年に始まったバラエティー『ザ!鉄腕! DASH!!』(日本テレビ系)が人気番組になり、グループ人気は安定してきました。ジャニーズ事務所でも、現在の藤島ジュリー景子社長がマネジメントを担当して大きな存在感を示していました」(女性誌編集者)

長瀬にあって、他のジャニタレにないもの
そうしたなか、長瀬は自身の代表作となる作品に出合う。

「『池袋ウエストゲートパーク』(TBS系・2000年)は長瀬と、脚本を担当したクドカン(宮藤官九郎)の名声を決定的にしました。木村拓哉、岡田准一、生田斗真など役者として評価の高いジャニーズのタレントは他にもいますが、長瀬が彼らと圧倒的に違うのは、その肉体の存在感。185センチの鍛え上げた肉体は、トラブルシューターの不良役に現実味を与えました。王子様だけでなく、悪も演じられる。それが他のジャニタレとの大きな違いです」(前出・女性誌編集者)

この翌年、長瀬は浜崎あゆみとの交際を報じられる。浜崎は2001年からレコード大賞で3連覇した“時代の歌姫”。隠れることなく堂々と報道陣の前に姿を現す2人の姿は、まさにスターだった。

肩にはそれぞれ右半分と左半分のハートのタトゥーを彫ったことも判明。2人が肩を寄せ合うことでひとつのハートになるデザインで、お互いへの熱情が表れているようだった。

長瀬も十分に人気者だったが、この熱愛報道で“あゆの恋人”として長瀬の芸能人としての“格”がぐっと上がった。「あゆに愛された男」という事実は、長瀬の魅力を裏付けるにはこれ以上ない称号になった。この流れにのり、長瀬は俳優としての唯一無二の才能を開花させていく

「『池袋ウエストゲートパーク』は、『俺の家の話』でタッグを組んでいるTBS磯山プロデューサーと宮藤官九郎との出会いになった作品でもありました。このチームで挑んだ2005年の『タイガー&ドラゴン』では “元ヤクザの落語家”、2010年の『うぬぼれ刑事』では “恋愛体質の刑事”というユニークな役を演じています。

長瀬さんは現実離れしたキャラクターでも、なぜかその存在感でリアリティを生み出せる。俳優としての稀有な力が明らかになっていったのです」(テレビ局関係者)

“旬の女優”との熱愛報道が追い風に
俳優として新境地をひらいていった2007年、浜崎との破局が報じられる。

しかしその後すぐに、ドラマ「歌姫」(TBS系・2007年)で共演した女優の相武紗季(35)との熱愛が報じられた。相武は、俳優としてノリにのっていたこの時期の長瀬を、より一層高みに押し上げた。

「相武さんは『華麗なる一族』(TBS系・2007年)や『絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~』(フジテレビ系・2008年)、NHK大河『天地人』(2009年)の主要キャストとして出演。JALや日本コカ・コーラの広告塔にもなるなど、テレビで彼女を見ない日はありませんでした。

歌姫にくわえて旬の実力派人気女優との交際が明らかになったわけです。長瀬さんご本人は意図していないでしょうが、交際報道が、ジャニーズのアイドルとしてではなく、独立した人気俳優としてお墨付きを与えた部分はあったと思います」(前出・スポーツ紙記者)

熱愛報道は長瀬にとってまたも追い風になった。その後、俳優としての幅をさらに広げていった。

「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」(日本テレビ系・2006年)では“10歳年齢を偽って高校に入学するヤクザの若頭”、「華麗なるスパイ」(日本テレビ系・2009年)では“前科13犯の天才詐欺師”を演じた。「泣くな、はらちゃん」(日本テレビ系・2013年)では、漫画のキャラクターが現実世界に飛び出す実験的ドラマにも主演している。

映画でもその存在感は変わらず、2016年に公開された「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」では地獄のロックバンド「地獄図(ヘルズ)」の赤鬼キャラ・キラーKを演じ、スマッシュヒットを飛ばした。

赤鬼から社会派まで。ありえない芸域の広さ
「長瀬さんはコミカルな演技がピカイチで、そうした作品への出演が続いていました。しかし、2018年の池井戸潤原作の社会派映画『空飛ぶタイヤ』で、巨大自動車会社に挑む運送会社の2代目社長をシリアスに演じてみせた。赤鬼やら、社会派やら、俳優としての芸域の広さはあり得ないほど広い」(前出・女性誌編集者)

しかし長瀬はTOKIOの元メンバー山口達也(49)の逮捕などが契機となり、2020年7月にジャニーズ事務所退所を発表した。

「昨年9月に公開された映画『ミッドナイトスワン』が大ヒットして、主演の元SMAP・草彅剛が日本アカデミー賞優秀主演男優賞も受賞しました。映画ならテレビのようにジャニーズのことも気にする必要がありません。なので、いくら長瀬本人が裏方への転身を宣言してもオファーはくるでしょうね。彼はそれだけ貴重な存在なんですよ」(前出・スポーツ紙記者)

俳優・長瀬智也はこの先どんな決断を下すのだろうか。

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