新型コロナ禍が日本代表強化に打撃…

観客を入れない「リモートマッチ」での公式戦再開および開幕へ向けて、いよいよカウントダウンに入ったJリーグとは対照的に、日本代表の活動がなかなかイメージできない状態が続いている。

日本サッカー協会(JFA)の技術委員会が17日にウェブ会議形式で開催され、終了後に反町康治技術委員長がオンラインによるメディアブリーフィングを実施。延期されたカタールワールドカップ・アジア2次予選が10月および11月に実施される予定になった状況を受けて、9月に設定されている次の国際Aマッチデーにも、森保一監督に率いられる日本代表の活動を組み込む意向を明らかにした。

「10月と11月の準備としての9月、というのは考えています。ただ、ご承知のようにコロナ禍の影響を含めたいろいろなことを考えると、活動はしたいものの、具体的にどうこうとはまだ言えないのが現状です。例えば国際親善試合を開催するにしても、自分たちの国が終息しても相手の国がそうでなければ、残念ながら活動ができないかもしれない。その意味では検討中ということになります」

猛威を振るってきた新型コロナウイルスの影響を受けて、世界中の代表チームが活動休止を余儀なくされて久しい。日本も3月のミャンマーおよびモンゴル代表、6月のタジキスタンおよびキルギス代表とのアジア2次予選がすべて延期され、国際サッカー連盟(FIFA)とアジアサッカー連盟(AFC)の協議のもと、それぞれ10月と11月に開催される方針が今月に入って決まった。

年内でアジア2次予選を終了させ、来年3月の国際Aマッチデーからはアジア最終予選をスタートさせる青写真を描くAFCは、2次予選の再開へ向けてこんな注釈をつけることも忘れなかった。

「すべてのチーム、役員、ファン、ステークホルダーの安全と幸福、政府による移動と医療に対する制約の解除を確かなものとするために引き続き状況を注意深く監視し、新型コロナウイルスのさらなる影響が出て再検討しなければならないときには、すべての関係者にすぐさま報告する」

第二波や第三波の襲来とともに懸念されるのが、AFCも言及した「政府による移動と医療に対する制約」となるだろう。
日本の厚生労働省は現時点で、すべての国や地域からの入国者に対して、国籍や入国の目的を問わずに、入国翌日から自宅などで2週間待機することを定めている。

特に入管法に基づく「入国制限対象地域」に滞在歴がある場合は、入国する全員がPCR検査を受けることも義務づけている。最新の「入国制限対象地域」を見るとスペインやドイツ、イタリアなど日本代表のヨーロッパ組がプレーしているすべての国が含まれているだけでなく、日本がホームでアジア2次予選を戦うタジキスタン、キルギス両国も5月下旬から追加されている。

加えて、アウェイ戦を戦うモンゴルも現時点で航空の運航便を停止させ、同時に外国人の入国も原則禁止している。夏以降にどのようになるのかはわからないが、状況が許した場合には森保監督が望む活動をサポートする意向を示した反町委員長は、こんな言葉もつけ加えている。

「私は感染症の専門家でもないので何とも言えないんですけど、できればいい方向へ向かってほしい。つまり海外にいる選手が、いろいろなハードルがなく日本へ入れるような状況になってほしい」

東京五輪世代を含めたベスト布陣で森保ジャパンが戦ったのは、敵地でタジキスタンに勝利した昨年10月15日のアジア2次予選が最後になっている。世界中の代表チームが活動を休止しているとはいえ、ここまで空白期間が生じる状況はチーム強化に停滞どころか後退をもたらしかねない。

ゆえに反町委員長もフル代表を9月に活動させ、チームとしてのベースを確認する舞台を設ける可能性を模索している。しかし、海外からの入国制限が解除されない限りは招集することもかなわないし、何よりもアジア2次予選を再開できるかどうかも現時点では不透明な状況にある。

他国との実力差を考えれば、4戦全勝でグループFの首位に立つ2次予選の通過は問題ない。ただ、内容を伴わない試合が多かった昨年の森保ジャパンの軌跡からは不安も顔をのぞかせていた。活動再開が来年にずれ込んだ場合には、韓国代表や中東勢などの強敵ばかりが集う最終予選を見すえて、メンバーの大胆な入れ替えで内側から活性化させるチーム改造も必要になってくる。

そして、下から突き上げる役割を果たすのが、来夏に延期された東京五輪に臨む1997年1月1日以降に生まれた世代となる。しかし、森保監督が兼任するU-23代表の活動に関して、反町委員長は「特に9月を含めた最初の時期では、いまのところ具体的には考えていない」と意外な方針を明かした。

「まずはJリーグに集中してプレーさせたい、と考えています。五輪代表が活動するならIMD(国際Aマッチデー)しかないわけですが、そこで招集をかければ、Jリーグも開催されるなかで各クラブが非常に難しい状況になることは間違いない。試合数も多くなってくるなかで、もっている力を各クラブで発揮した方がベターだと、私もナショナルコーチングスタッフも考えています」

過密スケジュールのもとで再開されるJリーグは、通常はJ1が中断される国際Aマッチデーにも特例で日程が組み込まれている。各クラブで主軸を担っているU-23代表候補も多いなかで、2008年の北京五輪でU-23代表の指揮を執った自身の経験に、五輪本大会が延期される異例の事態を重ね合わせながら、当面はJリーグの舞台で心技体をさらに磨きあげてほしいと反町委員長は期待を込めた。

「1年延びたことによって、頭角を現してくる選手が大勢いるわけですね。私の経験で言えば(北京五輪の)アジア最終予選が終わってからの半年間で、吉田麻也(当時名古屋グランパス)や長友佑都(当時FC東京)が頭角を現し、本大会でもプレーしています。そのような選手がどんどん出てきて、選ぶのに困るほどに分母が増えれば競争力も、チーム力も間違いなく上がると考えています」

再開後の公式戦では交代枠も「3」から「5」に増え、その分だけ若手を含めたすべての選手にチャンスが広がる。U-23代表としての活動は当面白紙になるかもしれないが、お互いを強く意識し合いながらJリーグの舞台で切磋琢磨していくことが、遠回りに映るようで実は強化への近道になる。

Uー23代表の、ひいてはフル代表の底上げにもつながっていく若手選手の台頭をチェックしながら、反町委員長以下の技術委員会はドイツやスペインなど、再開されたヨーロッパのサッカーシーンも映像を介して入念にチェック。状況が整ったときにいつでも招集できる準備を整えていく。

何の問題もない。他の国も同じ。
単純に久保建英選手を中心にどうしたら久保建英が活躍出来て、生きるか!?を戦術にすれば一番希望があるし、見ている人に期待感を与える事が出来る。難しい事を考えずに、久保建英が王様のチームを作ればいい。
各スポーツ続々再開中!!
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